「清貧の思想」

バブル崩壊後の1992年、「清貧の思想」という本が出版され、かなり反響があったそうです。

1992年と言えば、私は大学2年生でした。当時は、「清貧の思想」という言葉に特に惹かれることがなく、ずっと読まずにいました。(大学時代は友達と遊んでばかりいたことが最大の要因ではありますが、、、)

最近ようやく読みましたが、改めて「固定観念」の弊害を実感した一冊でした。「清貧」というと、自分自身を禁欲的な生活に追い込んでいこうとするイメージがありました。確かに、「貧しさ」を求めることによって、心の開放につながるのかもしれませんが、現代に生きる私たちは、この便利な生活を全て捨て去ることはできません。

大切なことは、「所有すること」にあるのではなく、「あること」にあるということです。少し哲学的な話になるかもしれませんが、便利な生活を過ごしているからこそ、「あること」の喜びを感じ、心の豊かさを取り戻していくべきだということなのかもしれません。

「貧しさ」の意味が、「モノを捨てる」ということより、「あること」の喜びを感じられないことに重点を置いていると思います。

「清貧の思想」には、「心の豊かさ」を得る重要なヒントがあると思います。