「なんとなく」

大学時代にほとんど勉強してこなかったのですが、卒業して10年以上が経過した現在、大学で学んだことで一つ頭の中に残っていることがあります。


永年神父を勤めていたスペイン人の講義でした。彼は、卒業生の結婚式で神父役をしてほしいという依頼を、過去にいくつも引き受けてきたそうです。引き受けるにあたり、いつも一つの質問を投げかけたそうです。

「あなた方はなぜ、『この人』と結婚するのですか?」

結婚してから何年経っても仲睦まじくいる方々は、ある共通した言葉を口にしたそうでした。

「なんとなく、、、」


「なんとなく」という言葉自体はシンボリックなものかもしれませんが、いろいろな理由を並べるよりも、そういった「空気観」ともいうべき相性のようなものを重視するほうがうまっくいっているようだ、ということです。

目に見える「具体的な理由」はいつか失う可能性がありますが、相性のような「目に見えないもの」は逆に曖昧であるがために失い難いものであるのかもしれない、ということでした。


仕事をする上でも、無意識のうちに「理屈」ではないものを重視する傾向にあるようです。私は「論理的思考」自体身についているとは言えませんのでその部分はしっかり勉強しなければなりませんが、「直観」と言うべきものも大切にしていきたいと思います。