「変えない」

「人はいさ 心は知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」


習った和歌の中で、唯一諳んじることのできる歌です。


事務所の近くでビルが取り壊され、一時的に更地になったところがありました。普段無意識に通り過ぎているためか、以前どのようなビルが建っていたのか、思い出そうとしてもなかなか思い出せませんでした。

都心部のいたるところで、ビルの建て替えや新築などにより、街が変化していることを感じます。


翻って、田舎に帰ると、ほとんど変化していないと感じます。今まで「田舎は変わらないなあ」と思っていましたが、「変えない」営みをしているのだということを感じつつあります。

過疎化が進んで住む人がいなくなると、どんどん姿を変えていかざるを得なくなります。「変えない」営みのおかげで、以前と同じ景色であるのだということを覚えておきたいと思います。