政治のタダ乗り

先日、鳩山首相全国知事会沖縄県に偏りすぎた米軍の訓練の分散化をめぐって話し合う中で、大阪府橋下知事がおっしゃった言葉が印象的でした。

沖縄県に押し付けてばかりで、私たちは『安全のタダ乗り』をしていたと思う」

この言葉を受けて、沖縄県の問題は日本全体の問題であることを、(正直なところ)「ようやく」実感しました。確かに、私自身が住んでいる場所では、米軍の戦闘機等が上空を通過する光景に出会うことはまずありません。それが当たり前だと思っています。


学生時代に沖縄を旅行したとき、米軍の戦闘機が上空を軽やかに飛んでいるのを見て、ものめずらしさから興味を持ったことを覚えています。旅行者として旅行先で米軍戦闘機を見る気持ちと、自分自身が住んでいる街の上空をいつも飛んでいる米軍戦闘機を見る気持ちとの間に、どれほどの隔たりがあったのだろうかと反省します。


最近見た記事の中に、「評論家のように文句を言うシステムが、日本人の間で巧妙に、しかも相当根深く浸透してしまっているのではないか」といったことが書いてありました。もちろん、昔から政治やスポーツについていろいろと文句を言うことは、罪のない日常的な会話であったと思います。問題なのは、政治において、国家の財政が危機的な状態に陥ってきているということでしょうか。


日本の財政状態は、好むと好まざるとにかかわらず、「小さな政府」へと向かう原動力になっていくと思います。それは、「少ないお金で運営しなければいけない国家」ということであり、つまりは「お金をかけないのであれば、それぞれが労力を出して運営しなければいけない国家」ということになるのかもしれません。


政治の問題は、距離を置いて野次馬根性で見ているほうが面白いのですが、やっぱり「当事者意識」を持つことが大切なのでしょうね。