利の本は義なり

論語を解説する本の中に、次のような文がありました。

「利の本は義なり〜本当に利を得たいと思うのなら、義という根本に立ち返らなければいけない」


「利」を「利益」とするなら、「義」とは何になるのでしょうか。辞書で調べると、「利害を捨てて条理に従い、人道・公共のために尽くすこと」とあります。経営的に言うと「社会貢献」になるでしょうか。ある先生は、「企業の究極の目的は、社会貢献である」とおっしゃっています。まさに、このことを指しているのかもしれません。


「利の本は義なり」という言葉が、どのような深みをもって語られているのかわかりませんが、私のレベルに落とし込んでみると、「利益を得たいと本気で思うのなら、人のためになることを、まず何よりも必死になって考えなければいけない」ということなのかもしれません。

「私の(エゴの)世界」という小さな領域を守りたいために、「人のためになること」を真剣に考える習慣が、今までほとんどできていなかったのではないかと反省します。「自分はどのような利益を得たいか」「自分はどれくらい利益を得たいか」など、自分側の「利」ばかり考えて、他の人の「利」とは何かを必死で考えることを疎かにしてきたようです。


顕在的なお客様、潜在的なお客様と真剣に向き合うということは、ときに自分自身がポキット折れてしまいそうなほど大変なことかもしれませんが、それなくして「利」を得ることはできないということを、肝に銘じていきたいと思います。