国の債務残高が900兆円を超えたという財務省の発表が新聞に出ていました。さらには、来年度中には国の債務残高が1000兆円を超える見通しであるとのことです。国民一人当たりの借金に換算し直すと、一人710万円の借金を抱えていることになるそうです。
この見通しはずっと前から指摘されていたことなのでしょうが、それではこの国の赤字体質はいつから始まっているのだろうかと確認したくなりました。財務省の資料では、一般会計税収の一番多かった1990年においても、歳出総額のほうが多い、つまり財政赤字であったと出ています。この財務省のデータの信憑性を問題視する声もあるようですが、いずれにしても、現代の日本国運営者におけるプライマリーバランス改善能力は皆無とみるか、あるいは改善する意志を持っていないとみておいたほうが、近い日本の将来の姿を想像しやすいのかもしれません。つまり、「近い将来、日本国は財政破綻する」という覚悟が、我々の世代やもっと若い世代には、必要なのかもしれません。
日本国家という大きな組織であっても、子どもの感情と無縁ではないのかもしれません。宿題をやろうとしているのに、取り組む前に親から「宿題やった?」「はやく宿題片付けなさい」と言われると、「せっかく今からやろうとしていたのに、もうやる気がなくなった」という状態です。
外の国や機関(親)から、成長戦略や税率アップなどの必要性(宿題)を指摘されると、「せっかく今からやろうとしていたのに、もうやる気がなくなった」と言っているように見えます。
歳をとればとるほど、「そんなこと、言われなくてもわかっている」という反発心が強まっていくように感じます。さらには、手取り足取り「ああだ、こうだ」と言われながら、言われた通りに行動することは、屈辱的に感じることもあります。だからこそ、日本国も「親」に「ああだ、こうだ」と指図される前に、しっかりと自分自身の意志で行動できる国であってほしいと願います。
「近い将来、日本国は財政破綻する」という覚悟を持ちつつも、日本に対する希望は、いつも忘れずに持ち続けていたいですね。