将棋の世界では、初段の実力を身につけると、俄然将棋の奥深さがわかってきて楽しさが増すと言われています。ゴルフの世界では、ハンディ100を切るくらいが一番楽しい時期だと言われたことがあります。では、仕事における「楽しい領域」というものは、存在するのでしょうか。
「仕事」といっても人の数だけその内容は異なるでしょうから、一概に言えることではないと思います。でも、「すごい業績を残す人」は、共通して、「仕事」を心底楽しんでいるとしか見えないことがあります。「仕事」に対する好奇心が常に旺盛で、いつも自然体でありながら、いきなりトップギアに切り替え、それがずっと継続される姿勢を垣間見ることができます。果たして自分自分をこの姿に到達させるためには、どうすればいいのだろうかと、そのプロセスを見出してみたくなります。
今の私は、「ヤケクソパワー」を意識したり、集中できる順番を考えたりしながら、怠惰で弱い自分自身の様子を伺いつつ、少しでも「仕事」に前向きに取り組んでいけるように仕向けている状態だと思います。つまり、到底「自然体」と言える状態ではないということです。
今の私自身を省みると、「どうしていいかわからない状態」に陥ってしまったとき、「ついついその場から逃げてしまう傾向」があるように思います。つまりは、「どうしていいかわからない状態」をとことん突き詰めていき、今の自分自身が理解でき、取り組んでいける作業にまで落とし込むことによって、「ついついその場から逃げてしまう傾向」を改善していくことができるのではないかと思いました。
「仕事」における「楽しい領域」は、「苦しい領域」と表裏一体のものではないでしょうか。「すごい業績を残す人」は、傍目からは「楽しい領域」に常にいるように見えているだけで、実はその裏で「苦しい領域」といつも格闘し続けていらっしゃるのではないかと思います。
「仕事」とは、目の前に課題が現れ、その課題を乗り越えることで、また新たな課題が目の前に立ちはだかるという繰り返しのことなのかもしれません。その過程を通して、「苦しい領域」だけでなく、「楽しい領域」にも目を凝らしていくことができれば、もっともっと自然体で、尚且つ好奇心旺盛に、「仕事」に取り組んでいけるのではないかと推測しております。