山の中の小さな運動会

帰省したときには、いろいろな道をドライブすることが楽しみの一つになっています。先日もある山道をドライブしました。


初めて通る山道であり、また地図を見ながらドライブしているわけではないため、二車線の道路が突然小さな一本道に変わるときには、少し不安を覚えます。でも、前から車が来ると、小さな道がどこかにつながっていることがわかって、ほっとします。

とても細い道なので、対向車が来ると、道路から車輪を落とさないように、細心の注意を払ってゆっくりと通り抜けなければなりません。でも、道路自体はきれいに舗装されていますし、ところどころに待避所が設けられていましたので、安心してドライブを楽しむことができました。

山が深くなればなるほど、対向車も、後ろから来る車もなくなり、いよいよ山の中で一人ぼっちになっていきます。それでも深い山道をどんどん進んでいくと、突然景色が開けて絶景を楽しめる場所に出たり、突然山の中の集落に出たりして、その変化を楽しむことができます。


深い山の中から、人が住んでいるところに出ると、不思議と懐かしい気持ちになります。先日も、木々に覆われた深い山の中の小さな道を走っていると、突然小さな集落に出ました。山と田畑の間のスペースをうまく使って、家々が立ち並んでいます。そして、少し集落を下っていくと、小学校のようなところで運動会が行われていました。

小学生は4〜5人しかいなかったでしょうか、大人ばかりが目立つ小さな運動会でした。秋晴れで、涼しい風の通り抜ける絶好の運動会日和です。

その小さな集落の人のほとんどすべてが、小学校に集まっているような感じでした。小さいながらも、にぎやかな雰囲気が伝わってきます。私は「不審者」にならないように、少しだけ運動会を見届け、山を下っていきました。


木々に覆われた深い山道も、突然開けた集落も、山の中の小さな運動会も、まるで狐にだまされていたか、それとも夢でも見ていたかのような錯覚を楽しんでいました。