留魂録

最近読んだ記事に吉田松陰の影響力について書かれていたことから興味を持ち、「留魂録」を読みました。


吉田松陰というと、松下村塾を開いた碩学ということくらいしか知りませんでしたので、どこか超然とした人格者のイメージを持っていました。しかしながら、本を読み進めていくうちに、人間としての苦悩を持ち続けていたことが、少しわかったような気がします。

わずか30歳の人生を全うする間に、思想面での変化、進化が描かれていましたし、おそらくは人としての成長も描かれていたのだと思います。高杉晋作らには、超然とした教えを残していったイメージがあったのですが、非常に熱い想いを残していったことが描かれていました。それは、ときに熱すぎて、周りの人を遠ざけることもあったようです。


最後の遺書とされる「留魂録」では、熱い想いを格調高い文章で書き記したとあります。時代が不安定だったこともありますが、やはり熱い想いが吉田松陰を突き動かしていったのでしょうか。読書量は、ものすごいものだったようです。


多くの共感を得る「想い」であれば、仮に自分自身が実現することは叶わずとも、意志を引き継いだ人によって実現されていくということでしょうか。すっかり夜更かししてしまいました。