学生時代はいろいろなアルバイトをしていたのですが、今思い返してみると、穴があったら入りたいことばかりです。正直に告白すると、本当にいい加減な仕事をしていました。だからあまり正直に書くわけにもいかないのですが、一つだけエピソードを紹介するとしたら、以下のことを挙げます。
塾講師のアルバイトをしていたとき、中学一年の生徒にぼそっと言われたことがありました。「先生って楽な仕事してるよねえ」
この一言が、当時の私を見事に言い当てていたように思います。学生時代の私は、自分自身の仕事に取り組む姿勢の問題として、確かに「楽な仕事」ばかりしていたのでした。
そのときはそんなに気にしなかった言葉ですが、日が経つにつれて、徐々に自分自身に重くのしかかってきました。「ああ、今でも楽な仕事をしてるんじゃないかな?」と。その言葉を発した生徒を個人的に思い返すのではなくて、ただただ、その一言ばかりが蘇ってきます。
特に怠惰な自分が出てしまうときには、この一言が突き刺さります。「ああ、自分は今でも楽な仕事をしているかもしれないな」と。でも、そんなに深刻になるわけではありません。むしろ、この言葉に感謝の気持ちを持つようになってきています。「ああ、怠惰な自分に対して、遠い過去から叱咤激励してくれているんだなあ」と。
「楽な仕事してない?」と自問自答するたびに、弱い自分と格闘していきたいと思います。