今日は久しぶりに中野に立ち寄りました。中野は学生時代にときどき足を運んだ街でしたが、社会人になってからはほとんど立ち寄った記憶がありません。おそらく、20年ぶりくらいのことだと思います。
中野にふらっと立ち寄ろうと思ったのは、学生時代によく行っていた定食屋さんのことを思い出したからです。ボリュームがあっておいしい定食が500円だったので、学生時代の私はとても重宝していました。
「でも、あれから20年も経っているから、当然店はなくなっているだろう、なくなっているとしたら、今はどのように変化しているのだろうか」と思い、20年後の街の変化を確認してみたくなりました。
今日はゴールデンウィークの初日だということもあったのでしょうか、以前よりも中野の街はさらに賑やかになっているような気がしました。中野ブロードウェイ側はもちろんのこと、駅の反対側も随分と賑やかでした。
定食屋さんがあったと思われる小道に入っていきましたが、20年前の記憶は曖昧のようです。小道沿いのどのあたりに定食屋さんがあったかまでは覚えていませんでした。当然ながら、すでにその店はなくなっているという前提で思い出そうとしていましたから、それらしい場所を探すのに苦労しました。
「たぶん、このあたりだったんじゃないかなあ」という場所に、ずいぶんと年季の入った食品サンプルのディスプレイがありました。「こんな店ではなかった」と一度は素通りしましたが、「ひょっとしたら…」と思い直し、年季が入りすぎて変色している食品ディスプレイのメニューを見てみました。
その中には、20年前によく食べていた定食の名前が書いてありました。しかも、値段は「500円」のまま…。それほどお腹は減っていなかったのですが、20年ぶりにその定食を食べてみたくなり、躊躇することなく定食屋さんに入っていきました。
店に入ると、完全に記憶が蘇ってきました。確かに、学生時代によく通っていた定食屋さんでした。店の中は当時のままですが、お店を切り盛りしている人が、私と同い年くらいの人に変わっていました。「以前の主人の息子さんだろうか?それとも、雇われ店長みたいな人だろうか?」と想像しながら、学生時代に食べていた定食が出てくるのを待っていました。
定食は、やっぱり20年前のものと同じでした。味も鮮明な記憶として蘇ってきました。ボリュームがあり、おいしい定食です。当時と違うことと言えば、私の胃がちょっと重く感じてしまったことくらいです。でも、食べ慣れた味だったからでしょうか、最後までおいしく食べ切りました。
20年のうちにいろいろなことが変化しましたが、変化させずに守り通しているものがあるようです。自分自身も、時間の経過とともに色褪せて忘れていくものが多い中で、鮮明に持ち続けていくべきものを、しっかりと持ち続けていきたいと思います。