「to U」と「ハナミズキ」

今夜は国際フォーラムで孫さんと小林武史さんによるトークライブがありました。トークがメインのイベントですので、お二人のトークを中心に楽しませていただいたのですが、この日特に驚いたことは、「to U」と「ハナミズキ」の両方を聴くことができたということです。


ときどき、音楽を聴きながら作業をすることがあります。気に入った曲を繰り返し聴いていると、自然と気持ちが落ち着いて、また作業に向かっていくことができます。最近特に何度も聞いていた曲は、本当に偶然なのですが、「to U」と「ハナミズキ」でした。だから今夜は、Salyuの『to U』と一青窈の『ハナミズキ』のそれぞれを、本人が目の前で歌っているという現実を思うと、ちょっと怖くなってしまいそうでした。しかも無料で、その上かなり前のいい席でしたので、本当にバチが当たってしまうのではないかと思うくらいでした。


最近読んだ「修身」に関する本では、「40歳は、そろそろ世に出るべき時期である」と書いてありました。「世に出る」とはどういうことを指すのか、自分なりに考えてみました。それは、「そろそろ自分を売り込む時期」というような自己中心的な意味ではないと思います。一言で言えば、「自分を使って、人に喜んでもらえることを実行していくべき時期」ということでしょうか。


世の中には「ありがた迷惑」「余計なお世話」といったことが結構溢れていると思います。相手の真実を受け入れることなく、自分勝手に「善意でやっているのだからいいじゃないか」「これは自分のやりたかったことだから多少のことはいいだろう」というのでは、「ありがた迷惑」「余計なお世話」に陥る危険性が高まります。人に心から喜んでもらえることをするためには、相手の存在を素直に受け留め、その上で「自分にできること」を見出していく必要がありそうです。そしてそのためには、40歳になるまでに自分自身を磨いておく必要があったのでしょうが、過去の40年間をやり直すことはできませんので、今後の補習課題として取り組み続けなければいけませんね。


「事業」や「商売」は、まさに「人に喜んでもらえることをする」ということそのものであり、それができなければ存続させることができません。そのあたりの機微をそろそろ理解し、「自分や自分の会社を使って、人に喜んでもらえることをする」時期が、だいたい40歳以降ということでしょうか。


「to U」と「ハナミズキ」は、「人のことを思う」という点で共通する曲というイメージがあります。今夜の幸運を僥倖で終わらせることのないよう、たとえ小さなことであったとしても、「自分にできること」を実行していきたいと思います。