「お前じゃ無理だ!」

私が起業した際、人に言われた言葉があります。「お前じゃ無理だ」。


言い訳じみてしまいますが、決してその言葉を根に持っているわけではありません。その証拠に、誰に言われたのか、今ではすっかり忘れてしまいました。確か、複数の人に言われたと思います。逆に言うと、複数の人に言われるということは、「お前じゃ無理だ」という言葉に、それなりの、いやかなりの、真実味があったのかもしれません。


この言葉の一つの真実を捉えるとするなら、「お前じゃ無理だ」という言葉の意味は、何も「起業」に限った話ではないと言えるでしょう。「起業」することが特別なこととは思えませんし、(特に今の私に当てはめるとするなら)あくまでも働き方の一つの形態に過ぎないと言えます。


つまり、「お前じゃ無理だ」という言葉の意味は、起業するにせよ、どこかの企業に雇用してもらうにせよ、自営業として働くにせよ、「お前じゃ一人前の仕事ができない」という意味があったのでしょう。それは、今の自分にとっても、もちろん痛いほど当てはまってしまう言葉です。


そしてこの言葉のもう一つの真実を捉えるとするなら、「お前じゃ無理だ」という言葉の前に、重要な形容詞句が隠されています。「今の(!)お前じゃ無理だ!」。


そうだと思います。「今のままの自分ではいけない!」。一日一日、少しでも成長していくことができなければ、いつまでたっても一人前の仕事ができない。これも、本当に痛いほど今の自分自身に当てはまってしまう言葉です。


「今の自分じゃ無理だ!」。だからこそ、今日一日分の成長を遂げるべく、目の前の仕事に打ち込んでいく必要がありそうです。