ずいぶん前にテレビで見た映像を思い出しました。
終戦直後、GHQの兵士たちがジープに乗って日本国内を走っています。そのジープにはカメラを持った人も同乗していたようで、終戦直後の日本を捉えています。そして、そのカメラは、不思議な光景を映し出していました。
舗装されていない土の道を、GHQのジープは悠々と直進していきます。しばらくして道の一角を曲がると、道の両端に、おそらくはつい最近まで大日本帝国の兵士であったはずの若い日本人たちが、道の外側を向いて頭を垂れ、無抵抗であることをアピールするかのように、等間隔で立ち並んでいました。
誰に指示されたのかは、わかりません。GHQのジープに轢かれるかもしれませんし、GHQの兵士に射殺されるかもしれません。ただ、そのような最悪の事態を、そっと受け入れているかのような静けさがありました。
「耐え難きを耐え、偲び難きを偲び…」
その体験を経て、今の日本があるようです。現在において、日本の未来を悲観的に捉える論調が強くなっているような気がしますが、そういうときだからこそ、多くのことを学ぶべきときなのでしょうか。