ロンドンオリンピック

ロンドンオリンピックの開会式を(途中まで)見たのですが、人によるサプライズ演出が面白く、ついつい見入ってしまいました。


「007」のジェームズ・ボンドに護衛され、エリザベス女王がヘリコプターでオリンピック会場に降下する映像が流されます。そして、本当にヘリコプターがオリンピック会場に現れ、エリザベス女王と同じ衣装を着た人がパラシュートで降下してきます。そのタイミングで、本物のエリザベス女王が姿を現し、会場は大歓声に包まれます。


ロンドン交響楽団の演奏が行われました。交響楽団の中にはMr.ビーンが紛れ込んでおり、彼に注目が集まります。彼はスマホ片手に演奏したり鼻をかんだりして、やがて指揮者に見つかってしまいます。


ポール・マッカートニーの「ヘイジュード」の熱唱は見逃してしまったのですが、これだけの「人材」を集め、巧みに演出することは、仮に今の日本でオリンピックが開催された場合、果たして可能でしょうか。それほど今回のロンドンオリンピックの開会式は、人によるサプライズ演出に長けていたのではないかと思います。


日本の柔道は、今回もなかなか金メダルが取れないようです。昨日、ようやく女子柔道で金メダルを一つとったようですが、「日本柔道」からすると苦戦が続いていることに変わりはないのではないでしょうか。それで思い出すのは、北京オリンピックで金メダルを取った石井慧選手のコメントです。


石井慧選手の言動には賛否両論あるようですが、面白いコメントの中に紛れて、非常に大切なことを発言していたように思います。「(いろいろ言いたいことはあっても)要はオリンピックに勝つ柔道をすればよい」と言い、実際に一本を取るよりもポイントを重ねることを重視する現在の「オリンピック柔道」に自らを順応させ、本当に金メダルを取ってしまいます。


二宮清純氏の本には、「勝者は、思考が非常に柔軟で、話を聞いているだけで面白い。敗者は、『かくあらねばならない』という悲壮感に満ちていて、思考が非常に硬直的である」と書いてあったと思います。現在の「オリンピック柔道」の在り方が良いのか悪いのかはわかりませんが、「柔道」が世界のものであるからこそオリンピック種目になっているのであって、まずは思考を柔軟にし、石井慧選手のように発想をユニークにしてみるのも非常に重要なことではないかと思います。


自分自身、「言うは易く、行うは難し」を肝に銘じなければなりませんが・・・