リバースイノベーション

アメリカの巨大企業「GE」は、「リバースイノベーション」という戦略を重視しているようです。


これは、「グローカリゼーション」という今までの戦略とは180度異なる考え方です。「グローカリゼーション」は、先進国(国内市場成熟国)で開発した商品を新興国(国内市場未成熟国)においても多少のカスタマイズをすることで同様の商品を広く普及させていこうとする戦略だったわけですが、「GE」はその逆をいく戦略を重視し始めたということです。


近い将来、市場規模が拡大していくことが見込める国・地域において、その市場で必要とされている商品を一から開発して普及させていこうという考え方が「リバースイノベーション」戦略です。


具体的には、価格帯を新興国でニーズのあるレベルまで下げ、その上で機能を絞り込むだけでなく、その国(地域)独自の課題を解決する機能を開発してその国で普及させることが、まず第一段階です。その上で、先進国においてニーズのある使用目的(使用シーン)を見出し、その独自性をPRして広く普及させていこうというものです。


きめ細かなサービスを得意とする日本企業の多くにとって、この戦略は非常に効果的なものになるのではないでしょうか。ただし、「GE」自らが指摘しているように、新しい場所で商品開発・販売していくチームは新しい組織体であることが求められますし、また経営トップの直属組織であることなど、権限移譲の問題も考えられます。


こういった課題と向き合いながら腰を据えて取り組むことができれば、その国・その地域で求められる商品開発を行いつつも、巨大な「成熟市場」でイノベーティブな商品を打ち出す効率的な手法になるのではないでしょうか。