経済の奥深さ

最近読んだ本が面白く、ついつい考えさせられました。


「資本主義は、いよいよ行き詰りつつある。資本主義の『その後』の世界を見据えて行動していく必要がある」という趣旨の本だったのですが、非常にわかりやすく書かれていて納得させられました。


しかしながら、その後たまたま読んだ本の中に、「今は、資本主義の『その後』を論じている場合ではない。資本主義そのものに問題があるのではなく、資本主義との付き合い方を(しばしば)間違えてしまうのだ」と書いてありました。


どちらの筆者も、日本を代表する識者です。経済は常に「現在進行形」で動いていますので、「正解」が一つということはあり得ないのかもしれませんが、大切なことは今後のあるべき「方向性」ということでしょうか。


以前、スティーブ・ジョブズ氏を批判的に書いた本を読みました。問題は、その本がどのタイミングで書かれたものかということですが、スティーブ・ジョブズ氏がアップルを追いやられ、「傍若無人」の振る舞いを批判されていた時期のものでした。今、スティーブ・ジョブズ氏を批判的に書く本はあまりないでしょう。


日本における経済関連本においては、それが東日本大震災の前後どちらに書かれたものか、そのタイミングが重要であるように思います。それだけ東日本大震災は、日本人にとって、または日本経済にとって、非常に重要な意味合いがあるように思います。


日本を代表する優れた識者であっても、その「方向性」が真逆になることもあり得るほど、現在における経済関連の課題は複雑なようです。あるいは「経済」とは、「これから自分がどのように関わっていくか」という意志、行動の総和と言えるでしょうか。