師走の福澤諭吉

今日から2013年の師走が始まります。いつもこの日を迎えると、「えっ、もう12月か。早いなあ〜」とつぶやいているような気がします。それだけ、この1年間を「やりきった感」が希薄であるということでしょうか。結果を反省するというよりも、もっともっと時間密度を濃く生きることができたという反省が、反省というよりも自己嫌悪が、頭の中を占めていきます。過去から目を背けることなく、せめてこの1か月は、本当に悔いのない生き方をしてみたいものです。


最近、福澤諭吉の「学問のすすめ」現代語訳の本を読んだのですが、特に次の箇所が印象に残りました。


「心事が高尚で働きの乏しい者は、人に嫌われて孤立することがあります。〜自分の高尚な心事を標準として、それに照らして他人の働きを評価し、自分を優位に置いて、想像上の自分の姿にうっとりして人に嫌われるようになり、ついには自分から人を避けて孤立無援の苦しい状態に陥ってしまうのです」


素晴らしい先生などに教えを受けたことのある者は、自分では自分の「心事」が高尚だと思い込み、それを基準にして他人を評価してしまう傾向にあると自分自身、反省します。自分の「心事」を物事の基準とすること自体何ら問題はないと思いますが、それが自分の実際の姿とかけ離れたものであればあるほど、自分自身の行動には目をつむり、他人のことばかり評価しようとする力が働いてしまうのではないかと思います。


学問のすすめ」にも書いてあるように、他人のことで不満を感じたら、まずは自分自身が、自分の「心事」が納得する行動をとってみることが大切なのでしょう。


せめてこの12月は、そのように行動し続けていきたいと思います。