決して“孤独”ではない

先日、元陸軍少尉の小野田寛郎さんが91歳で他界されたというニュースがありました。終戦から30年近く、任務解除の命令が届かなかったため、フィリピンの島で戦い続けていたそうです。


30年近い間、仲間と一緒のときもありましたが、最後は自分ひとりで戦い続けなければいけませんでした。そのときも、孤独を感じたことはなかったそうです。


「すでに大きな恩恵があって生きているのだから、決して一人で生きているわけではない」


このようなことを考え、たった独りで戦い続けたそうです。孤独感に苛まれるとき、その気持ちと正対することが大切であると習ったことがあります。そして、正対すればするほど、不思議と孤独感は静まっていくことがわかってきます。


それは小野田さんがおっしゃっていたように、「すでに大きな恩恵があって生きている」ことを悟らせてくれるからでしょうか。いつかは独りでこの世を去らなければいけないことの真実を無意識にも悟っている部分があるのかもしれませんが、それでもやっぱり今があるのは、多くの人からの大きな恩恵があるからこそという真実も忘れてはいけないことなのでしょう。


今があることの感謝の気持ちを忘れず、一日一日を大切にしていきたいと思います。