日本人による日本経済観

日本人による日本経済観、日本人による日本国のイメージは、最近静かに、しかし、急激な勢いで大転換しているのではないでしょうか。


私が学生だった頃は、バブル経済が崩壊し、景気はすでに後退局面に入っていました。それでもGDPは世界第2位をキープしていましたし、世界の時価総額ランキングにおいて、日本の企業が上位に何社も入っていました。


そのころ、「日本の経済は一流、政治は三流」と言われていました。政治についてはさまざまな議論があるかと思いますが、「経済は一流」という自負が、意識的にも、無意識的にも、何となく持っていたように思います。


現在、GDPは中国に大きく引き離され、世界第3位となっています。一人当たりGDPでは、シンガポールや香港よりも低く、世界第20位前後あたりにいます。また、世界の時価総額ランキングにおいても、日本の企業は姿を潜め、中国企業が目立って増えてきています。


つまり、以前は「日本はアジアのリーダー」と勝手に思えたことが、現在においては、「そうでもないのだな」ということを肌で感じつつある日本人が増えているのではないでしょうか。


このような転換期が、どこにあったか。例えば、中国経済の台頭は外的要因ですが、日本経済の内的要因はどこにあったのか。


いろいろな意見があるかと思いますが、インターネット革命・情報革命が、内的要因の一つの転換期だったのではないかと思います。インターネット革命が世界中を席捲し、現在も人工知能やIoT等、情報革命に関連する技術的進歩がますます加速しています。そのような世界において、この分野で日本経済が世界を引っ張っているイメージがあまりないことが、「経済は一流」という自負が薄れつつある要因の一つになっているのではないでしょうか。


経済は、生き物です。例えば、日本企業のある一社が、世界をリードしていくと、また日本経済に対するイメージは変わっていくかもしれません。大切なことは、諦めず、投げ出さず、冷静に現状分析し、挑戦すべきことに挑戦していくことなのでしょう。


自分自身のことは脇に置いて、より大きなことを考えてみました。