永世七冠の秘訣

羽生二冠の言葉で印象深いものがあります。


「一日1時間でいいから、それを例えば20年間、続けることができるかどうかが大切だと思います」


「一日1時間を20年間」継続すれば、合計7300時間です。「1日20時間を1年間」継続すれば同じ時間を費やしたことになりますし、「1日10時間を2年間」でも同様です。


もちろん、若いうちはそのような瞬発力が必要かもしれませんが、年齢を重ねてくると、「一日1時間でいい」から、それをずっと継続することの重みを感じます。


もちろん、ただ「一日1時間」を費やせばよいのではありません。雑念を追い払い、一心不乱に打ち込む「1時間」を羽生二冠は大前提としているのでしょう。そう考えると、「一日1時間」だけでも大変な取り組みと言えます。


最近、藤井四段の活躍もありますし、インターネット番組の浸透により将棋の生中継を観戦できる環境ができたことから、もっぱら「見る将棋ファン」となっています。解説者の解説を聞きながら、純粋に楽しんでいます。自分自身も一緒になって次の一手を真剣に考えているかというと、そうでもありません。


それは、「真剣に考える」ということは、意外にエネルギーを消費するからでしょう。体力とエネルギーを消耗しそうになるので、ついついぼーっとしながら、プロの緊張感を味わうのを楽しみにしています。


そういう意味では、1日何時間も考え続けているプロは、やっぱりすごいなと思います。そして自分自身、取り組むべきことに「1日1時間」を、ちょっと弱気になって「1日10分」でもいいから、集中すべきことに集中していきたいと思います。