過小評価

一般的に、「過大評価」していて、あとからがっかりさせられることは多いのですが、逆に「過小評価」していたことに気づかされることがたまに発生します。


今であれば、メジャーリーグ大谷翔平選手が該当するのではないでしょうか。まだ23歳という若さもあり、今年はメジャーリーグで「二刀流」を適応させることは難しいものと個人的には思っていたのですが、開幕してすぐに結果を出し続け、話題をさらっています。もちろん、今シーズンは始まったばかりですので、このあとどのような結果を残していくのかは未知数ですが、その類まれな才能を「過小評価」していたことを認めざるを得ない人は数多くいると思います。


少し前であれば、将棋の藤井聡太棋士でしょうか。「中学生棋士」として華々しくデビューし、どうしても話題先行となりがちなところを、いきなり前人未到の29連勝を達成したことで自らの才能を結果で示しました。


このように、特に若い人の才能を見抜くということは、その道のプロであっても意見が分かれることが多いでしょうから、なかなか難しいことと言えそうです。なお、広い意味では、「人の才能を見抜く」という姿勢自体に、どうしても「上から目線」となりがちな危険性がありますから、ある先生が言っていたように、「無条件で、人間の潜在能力を信じる」という姿勢が大切なのかもしれません。


「過小評価」することにおいては、人の能力だけでなく、その他のさまざまなことにも起こり得ます。例えば、企業の評価もそうですし、特定の技術力、特定の商品やサービスなどの評価においても当てはまります。特定の商品やサービスの評価ということであれば、売上高を指標にすることができそうですし、特定の技術力の評価ということであれば、その市場規模を指標にすることができるかもしれません。企業の評価は一般的に株価で表されることが多いのですが、まさに株価は変動し続けることから、「評価」という行為は、常に目まぐるしく動き続けるものであると言えそうです。


「玉石混淆」という言葉がありますが、その割合から言えば「普通の石」あるいは「悪質な石」が圧倒的に多く、がっかりさせられることが多いのではないでしょうか。それでも、その中に「玉」は確実に混じっていることに気づかされることが、世の中の面白いところなのかもしれません。