出口戦略

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の延長を受け、「出口戦略」という言葉を頻繁に見かけるようになりました。

 

「出口戦略」とは、もともと軍事用語からきているようで、例えば経営においては、ある事業からいかに損失を最小限に抑えて撤退するかを判断する戦略ということになります。また、投資活動においては、「購入の判断よりも売却の判断のほうが難しい」と言われるように、投資の利益・損失を確定させるための戦略ということになります。

 

最近注目されている緊急事態宣言をいつ解除するか、どのような基準で解除するかの出口戦略ですが、これも相当難しい判断を迫られているということでしょう。

 

ただ、一つ言えることは、新型コロナウィルスが完全になくなることはないわけですから、完璧な安全は望み得ないということです。もちろん、治療薬が開発されれば相当程度リスクは低減されるでしょうが、それでも毎年、治療薬のある(既存の)インフルエンザが原因で数千人の方が亡くなられているわけですから、治療薬が開発されてもリスクがゼロになるわけではないということを覚悟しておく必要がありそうです。

 

今回の新型コロナウィルスは、まさに未知との遭遇でした。このウィルスの感染力を通して人間不信に陥ったり人間関係がギスギスしたりしてしまいかねませんが、だからこそ誰かを応援したり誰かを思い遣ったりする強い力を身につける必要がありそうです。

 

今回の緊急事態宣言の延長を受け、改めて普段の何気ない日常生活の有り難さを実感しています。ウィルスの感染力だけでなく、人間関係の破壊力もありそうな病原菌ですが、頻繁に手を洗ったりうがいをしたりするという習慣を身につけるだけでなく、他人を思い遣る気持ちも身につけなければいけないと(いつも自分のことばかり考えている私自身を反省しつつ)思いました。