「人間関係で悩み苦しむようなときには、出来る限り仕事に意識を向けるようにしてきました」
大学院の先生で、ある企業の経営者がおっしゃっていた言葉です。
「仕事をしていたら、ときに人間関係に悩まされたり、人事で納得のいかない場面に遭遇したりすることがあると思います。でも、悩んでばかりいるだけでは、自分自身の成長にはつながりません。だから、そのようなときは、仕事に意識を集中させるように、強引に自分自身を仕向けてきました。すると、思い悩んでいた人間関係も、いつの間にか解決していることがほとんどでした」
仕事上の人間関係においては、あいだに「仕事」が介在するため、いろいろ複雑なせめぎ合いが行われてしまうのかもしれません。「せっかくこれだけのことをやってきたのに、自分は全然評価されていない」とか、「このプロジェクトを実行していくのに、彼とはうまくやっていけそうにない」とか、「仕事」を通して、いろいろな人間関係の悩みが膨らんでいきます。でも、だからこそ「成長できる」と学んできました。
人間関係に正面から向き合うことで、苦しいときほど自分自身の成長につながっていく。しかしながら、どうしても思い悩んでしまう場面に遭遇したら、一度意識を仕事に集中させてみることで、思い悩んでいたことが、実は瑣末なことだったと気づくときがくるのかもしれません。
自分自身、「仕事に意識を集中させる」ということは、何かに思い悩んでいるときには非常に難しいことです。そういうときは、仕事も何もかも放り出してしまいたくなります。でも、肝心の仕事を放り出すわけにはいかないので、逆にもう一度原点の仕事に意識を集中させてみることで、道は開けていくということでしょうか。数年前に教えていただいたことですが、自分自身が実行できているとは言い切れず、やはり反省の毎日です。