最近、ある政治家の本を読んでいたのですが、マスコミから伝わってくるイメージとはだいぶ異なる人物像が浮かび上がってきました。わかりやすく書かれた本の中には、その人が政治家を志した根本的な動機、政治家として活動してきたことの根本的な思想が伝わってきました。
この本にも書かれていましたが、政治家は「結果責任」の十字架を背負うことを宿命づけられています。ここでいう「結果」とは、直近の物差しだけでなく、まさに「国家百年の計」を指し、将来世代の国民に判断を委ねるというものです。
この本を読んでふと思ったのですが、政治家が「自らやってきたこと」を振り返るためのものではなく、「これから何をしようとしているか」の決意表面となるような書籍をどんどん出版してはどうかと思いました。例えば、「電子書籍」というようなかたちで無料か格安料金で出版することが考えられます。各政治家にとっては、自らの考えを整理することができるでしょうし、襟を正す機会にもなると思います。一方、私たち国民からすれば、今までほとんど伝わることのなかった政治家の「人物像」が伝わりやすくなると思います。もちろん、いくらでも「粉飾」することはできるかもしれませんが、やはり「行間」からその人の「人物像」「本気度」は伝わってくるものだと信じたいところです。
「政治ニュースを配信する」という立場のマスコミからすると、どうしても目先の話題が中心にならざるを得ないでしょうから、何か新しい慣習なり媒体なりが育つことにより、私たちがもっと「長期的」「根本的」「多面的」な政治の問題意識に触れることができるような社会になってほしいと思います。