「伝説の男」の作られ方

今日から日本のプロ野球が開幕します。特定のチームを応援していなくても、スポーツニュースのコンテンツを見る機会が自然と増えてしまう季節が始まりました。


ところで、昨シーズンのイチロー選手を追ったテレビ番組を見て思ったことがありました。ワールドチャンピオンを目指してヤンキースに移籍したイチロー選手でしたが、昨シーズンのヤンキースポストシーズンに進出することができませんでした。


ポストシーズン進出を逃したヤンキースは、残り試合は若手選手中心の起用をしていました。当然ながら、バリバリのレギュラー選手が出場することはなく、多くの花形選手はスパイクもはかず、リラックスした雰囲気で残り試合の行方を見守っています。


そんな中、イチロー選手はいつものペースを崩さず、いつでも試合に出られるように淡々と準備を進めていました。そのことをどのように捉えるかは人それぞれだと思いますが、少なくともイチロー選手の通訳をしていたヤンキース職員は、そのようなイチロー選手の姿に感動していました。


「多くのレギュラー選手は、スパイクもはかず、リラックスして試合を見守っている。でも、イチロー選手だけは違った。ただの消化試合でも試合に出る準備を怠らず、バットやグローブを磨き、ストレッチ運動をしていた。そのことが、イチロー選手がイチロー選手たる所以なのです」


そのようなことをヤンキースの通訳の人が語っていました。「伝説の男」は、もちろん記録にも左右されるかと思いますが、その選手の姿を回りの人がどのように受け止めるかによって作られていくのだということを思い知りました。つまり「伝説の男」とは、対象となる人だけでなく、周りにいる人との共同作業の作品だということでしょうか。


今シーズンも、「伝説の男」が誕生するようなシーズンであればいいですね。