60年前の日本人

昭和30年10月に書かれた著名な作者によるエッセイは、次のような文章から始まります。


「私はまだ外国に行った事は一度もない。おそらく日本人の大部分も、一生を通して外国を知らずにすごすことであろう。地図でみるとわかるように、日本は東洋のはての小さな島国だ。八千万の人口が、ここにぎっしりつまっている。」


それから60年ほど経過した現在、外国に旅行した経験のある日本人のほうが多数派になっているのではないでしょうか。“格安チケット”や“LCC”等の普及により、外国が身近に思える時代になりました。しかも、現在の日本の人口は1億2千万人を超えています。60年前より、1.5倍に膨れ上がっていることになります。


現在の日本は、人口減少傾向にあり、経済的にも停滞傾向が続いています。そのような“今の常識”は、いつまでも続くわけではないのでしょう。ただし、その変化がどのような方向性にあるのかは未来に行ってみないとわかりません。大切なことは、適切な危機感を持って、今の時代をよりよい方向性に変えていこうとする気概でしょうか。


たまには、大きな視点で考えてみるのもいいものです。