「雨ニモマケズ…」

昨日、テレビで宮沢賢治の特集を放送していました。


宮沢賢治が地元の会社で一時期働いていたということは何となく知っていたのですが、本格的に営業活動をしていたということは驚きでした。


白い粉にまみれている人たちのために一生懸命石灰を売ろうと、頭を下げ、いろいろなところへ売りに出かけます。人のために働いているという確かな充実感を得て、営業活動に精を出します。夜には、童話の推敲を重ねます。


そして、持ち歩いていた営業鞄の中に残されたメモ帳には、あの詩が書かれていました。

雨ニモマケズ 風ニモマケズ … 東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ 南ニ死ニサウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ 北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ … ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ」


宮沢賢治が本格的な営業活動をしていたということは、本当に驚きでした。自分自身がこのような心境で営業活動に取り組めるかというと、それはかなり難しいことだと思います。もっと目先のことや、自分自身の欲のことがすぐに浮かんでしまうからです。でも、営業経験のある人がこの詩を読むと、この詩に対して今までとは違った印象を受けるのではないでしょうか。


現在、この詩を大切にし、この詩の心境に近づこうと、日本や世界のいたるところで、営業活動に励んでいる人が何人もいるとしたら、またはそのことを想像すると、とても勇気が湧いてきます。