溜める力

最近読んだ本の中に「溜める力が大切」だと書いてありました。「溜める力」とは、人の意見が自分の考えと違うと思ったり何か違和感を持ったりしても、「まずは自分の中に溜めることのできる懐の深さを持つ力」のことのようです。


確かに私においても、歳をとるにつれて「人生観」みたいなものを持つようになり、相手の意見が自分と違うなと感じたり、何か違和感を持ったりすることが増えてきました。そのこと自体は悪いことではないと思うのですが、だからといって相手を全否定してしまうのは、失礼というだけでなく、とても「もったいない」ことをしているように感じます。

だからこそ、「溜める力」が必要なのでしょうか。自分の「揺るぎない信念」を持つことは大切だと思いますが、そのことの延長で、自分の考えが(低いレベルで)凝り固まって柔軟性に欠けていたとすると、まずは大いに反省する必要がありそうです。


相手の考え、意見のどこに違和感を持ったのだろうか、何が自分の考えと違うのだろうか、そういったことをじっくり吟味していくために、一旦は自分の中に「引き受ける」懐の深さを持てるようにしていきたいと思います。そうすることで、自分の「揺るぎない信念」も磨き上げていくことができるのかもしれません。


偏屈に自分の考えだけを相手に押し付けようとすれば、相手はもう何も語ってくれなくなる危険性が高まります。まずは自分の中に「溜める」ことを通して、相手の意見の違うところだけでなく、よいところや自分に欠けている視点などもしっかりと吸収し、その上で、自分の信念や価値観を、日々磨いていくようにしていきたいと思います。