父が残した桜

父が人生最後の仕事に取り組むかのように、自分の土地に桜の木を20本ほど植えていきました。すでに入退院を繰り返している時期でしたので、実際に桜の木を植える作業は私たち家族や親戚の者が行いました。


桜の苗木を植えてから4年ほど経つでしょうか。未だに桜の木は一本も花を咲かせることがありません。里山の天敵とも言うべき鹿に枝を折られ、すでに枯れてしまった桜の木もかなりあります。


でも、確実に大きくなっている桜の木があります。ところどころ鹿に枝を折られた形跡があるものの、残された幹と枝がスクスクと大きくなっています。


あと何年か後に、桜の花を満開に咲かせる日がくることを楽しみにしています。