歳をとることはいいことだ!

「人生の残り時間を告げる砂時計の音が聞こえているか」

以前、このようなことを教わりました。砂時計の砂が規則正しく下に落ちていくように、人生の残り時間は確実に少なくなっていきます。


人生の残り時間を告げる砂時計の音、サーッと流れ落ちる音は、20代のときには全く聞こえませんでした。30歳になっても聞こえませんでしたし、35歳になっても聞こえていなかったと思います。でも、40歳になった今は、確実にその音が聞こえてきます。


40歳にもなると、「自分の残された時間」を具体的にイメージすることができるようになってくるようです。あとわずか10年で50歳になりますし、さらに10年を過ごせば60歳です。いつまで健康でいられるかわかりませんし、あとどれだけ生きられるかもわかりません。となると、今日の一日は、非常に貴重な一日であることを思い知らされます。


私が10代後半か20歳くらいのことだったでしょうか、ある歌の中に「つまらない大人にはなりたくない」という歌詞を聞いて「ホントにそうだなあ」と思ったことがありました。でも、そのときは、「つまらない大人」について、「結果としての尺度」でしか考えていなかったように思います。


正直なところ、つい最近まで「結果的に、他人から魅力的に見える立場にいたい」といった側面ばかりを重視していたように反省します。でも、最近になってようやく「結果だけではない尺度」についても意識するようになってきました。それは、例えば「論語」に書いてある「最も大切なものは『恕』(思いやり)」といった言葉に共感するようなことであったりするのでしょうか。


また最近、ある先生に勧められて「自分の棚卸」をするようになりました。このブログもその一つです。この行為は、ある意味では「未だ何者でもない自分」を再確認する厳しい作業でもあるわけですが、でも自分としっかり向き合うことで、自分が癒されていくことにも気づかされます。そして、他人と比較することの空しさ、愚かさに気づかされます。


もちろん、私よりも経験豊富な人からみれば、今の私も未だに未熟な子どもだと思います。そういった意味においては、どこまでも謙虚であり続ける必要がありますが、砂時計の砂が確実に下に落ちていくように、わずかばかりではありますが、確実に若い頃の自分よりも成長しているようにも感じます。


死ぬ間際まで、「歳をとることはいいことだ!」と言い続けられる生き方をしていきたいものですね。