時代を超越した仕事ぶり

最近、あるスーパー証券マンの伝記を読んでいたのですが、その仕事ぶりのすさまじさに、取引先の人が「あの人の仕事ぶりは、時代を超越していました」というコメントを寄稿していました。


「時代を超越する」とは、どういう意味でしょうか。近頃では、「夜討ち朝駆け」「どぶ板営業」といった言葉をほとんど聞かなくなりました。つまり、そのスーパー証券マンが活躍していた時代から、「ガツガツ」した営業スタイルは「時代遅れ」という認識が広がっていたようですが、どうもその人にかかると、「ガツガツ」という言葉さえも超越した何かを感じさせるものがあったようです。


もちろん、顧客によっては「いい迷惑」の営業スタイルだったのかもしれませんが、別の顧客にとっては、「あの人はすご過ぎる」と唸らせるほどの仕事ぶりを展開していたようです。


私たちは、自分よりも少しだけ能力が上と思う人、自分にも手が届くところにいると思う人に対しては、時折、嫉妬や妬みの対象になるのかもしれません。でも、誤解を恐れずに言うと、「思わず笑ってしまう」ほどすご過ぎて、自分自身と比較しようとも思わない人に対しては、嫉妬や妬みといった感情を超越して、尊敬の念を抱くようになっていくのではないでしょうか。


嫉妬や妬みといった感情を超越させてくれる、「思わず笑ってしまう」ほどすごい人に出会うことを、多くの人が心のどこかで追い求めているのではないかと思いました。