年少の人から学ぶ

最近、谷川浩司棋士の本を読みました。いろいろ勉強になることが書いてありますが、谷川棋士の本で一番印象に残るのは、やっぱり羽生善治棋士とのことです。


一度は羽生棋士の七冠を阻止したのですが、次の防衛戦で羽生棋士に敗れ、自らの手で羽生棋士の七冠を達成させたときのことです。


「将棋界にとって、屈辱的なことです」とコメントされた棋士もあったそうです。もちろん、そのコメントに悪意はなく、自らを奮い立たせるものだったと思いますが、当の谷川棋士はそのとき、全く違う感想を持ったそうです。


「心から、羽生棋士の偉業をすごいことだと思う」


負けた直後は悔しくて仕方なかったと思いますが、すぐに爽快な気分で、羽生棋士の偉業を尊敬する念が湧き上がってきたそうです。


それまでは、羽生棋士に対する嫉妬の念があったそうですが、自分自身の気持ちから逃げずに真正面から向き合ってこられたからこそ、そのような気持ちになることができたのでしょうか。


それ以来、分が悪かった羽生棋士との対戦成績は互角で渡り合えるようになったそうです。嫉妬や妬みなど、自分自身が負の感情に苛まれたとき、そこから逃げずにしっかり向き合うことの大切さを知りました。また、年上、年下関係なく、他の人から謙虚に学ぶことの大切さを教えていただきました。