580億円の行方

コインチェック社から580億円相当が流失してから1ヶ月が経過しますが、その後犯人が捕まったとか、流失経路が判明したといったニュースを聞くことがありません。


もし「580億円」が日本円で、しかも銀行強盗による流失だったら、さらに大きなニュースになっていたことは間違いないでしょう。ちなみに、(インターネット検索によると)日本国内において、一度の強盗被害による過去最高の損害額は約6億円だったそうです。


つまり、今回のコインチェック社の事件は、「日本国内」における強盗被害と捉えると、それまでの過去最高の損害額の100倍程度の金額が流失したことになります。


今回流失したものが「仮想通貨」であったために、正直なところ、自分自身もいまいち飲み込めていないところがありました。そこで、仮想通貨に関する本を読んでみたのですが、「仮想通貨」とは、「中央管理者のいないお金」であることに本質があるようです。これを知って、「インターネット」の黎明期を思い出しました。


「インターネット」の本質は、「中心のない世界」だと言われています。蜘蛛の巣状に張り廻らされた情報網によって、中心となる管理者を持たず、その結果、情報網は飛躍的に広がっていくという構造です。もちろん、自国の情報網を管理する国もありますので、一概には言えませんが、「中心のない世界」という言葉は、本質をついていると思います。


「インターネット」の黎明期には、大きな期待と同時に、何か「胡散臭い」ものと思われていた時期もありましたが、20年以上が経過した現在、「インターネット」は世の中になくてはならないものになっています。


今後、「仮想通貨」は、どのような運命をたどることになるのでしょうか。「中央管理者のいないお金」というシステムは、現在の私たちからすれば、何か危なっかしく感じるし、違和感を持つ人がまだまだ多数派ではないかと思います。今後の行方を観察していきたいと思います。