身心一如

先日、久しぶりにテニスの錦織選手が公式戦で戦っている姿をテレビで見ました。ときどきイライラすることはあったようですが、概ねテニスを楽しんでいるように感じたのが印象的でした。解説者も「勝負というより、まるでテニスという遊びを楽しんでいるようですね」と言っていましたが、まさにそのように感じさせるところがあり、それこそ錦織選手の真骨頂と言えるのでしょう。


錦織選手が手首の怪我によって長期離脱する直前は、苛立ちからラケットを投げつけたり、「ああ、もう」といった怒りの声を連発したりして、見ているほうも苦しくなることが多かったように感じます。しかし、今回の試合は、テニスのプレー自体をかなり楽しんでいるようでした。


錦織選手の姿を見て、「身心一如」と言いますか、やはり苦しいときほど前向きな「動き」をしてみることが大切であることを感じました。普段の自分であれば「こんなこと、できて当たり前」と思うようなことでも、まずはガッツポーズをしてみる、相手のよいプレーに接したときは、サムアップしてみるといったように、前向きな動きをしてみることで、徐々に気持ちも前向きに切り替わっていくのではないでしょうか。


「苦しい時ほど笑ってみろ」と言います。周りの人からすると、一瞬「キモイ人」になってしまうかもしれませんが、苦しいときだからこそまずは「笑顔」をつくり、意味もなく笑ってからもう一度目の前の大きな課題に向き合っていくと、「意外とたいしたことではないな」と思えてきて、スムーズに事が運ぶこともあるのかもしれません。


もちろん、そんなに簡単なことばかりではないでしょうが、駄目なときの私は、確実に心が駄目になっています。だからこそ、まずは心の方向性を見直し、前向きな動きをすることで、自然と心を穏やかにしていくことが大切ではないかと思いました。


先月、松江市役所に行ったとき、「頑張れ!錦織圭選手」という大きな垂れ幕がかけてありました。怪我で長期離脱していた時期も、きっと同じ垂れ幕がかかっていたのでしょう。地元の人の応援って、本当に有難いものだなあと他人事ながら思い、ますます錦織選手を応援したくなりました。