本当の主人公

河合隼雄さんの本を読んでいて、これって天からの授かりものみたいだなあ、と思わずにはいられないような言葉がありました。

「自分の人生を物語として見るとき、さしずめ『主人公』は自分ということになるが、それが一番大切な存在ではないことを知ることによって、その物語が深みをもつのではなかろうか。」


つまり、自分の人生の「主人公」は自分自身であるのだから、「自分こそ大切な存在」としか考えられないうちは、深みのある人生を送れない、ということなのかもしれません。逆に、自分以外の存在で「大切なもの」、「本当の主人公」を見出していくことができれば、深みのある人生を送ることができる、ということなのかもしれません。


「自分が自分が」と考えることで、必要以上に肩に力が入ってしまったり、イライラしてしまう自分を反省しなければなりません。


河合さんは、最後に次のように締めくくっています。

「主人公としていろいろと体験をしながら、自分よりも大切な存在とは何かを常に問いかける姿勢をもち続けることによって、たとえ答えは簡単に出てこないとしても、人生が豊かになると思われる。」