想像力の反省

先日、東京都内の水道水から「乳児の暫定規定値」を超えた放射性物質が検出されたというニュースが飛び込んできました。

数値はその後、減少傾向にあるようですが、このニュースに触れて、私自身、大いに反省しなければいけないと痛感させられました。それは、「乳児の暫定規定値」であることから、「成人男性である自分には問題なさそうだ」と考えている自分がいたからです。


私は未だ一人暮らしをしていますので、想像力が限定的になっているのではないかと反省します。ニュース番組で、乳児を抱いた女性がインタビューに答えていました。「私自身は大丈夫だと思いますけど、この子のことは守ってやりたいと思うので、慌ててミネラルウォーターを買いに来ました」

何かを想像するとき、自分の立場で想像することは当然と言えば当然のことかもしれませんし、自分の置かれている立場を冷静に見据えることは重要なことだと思います。でも、今回のような場合においては、いろいろな立場の人のことを想像することが必要不可欠であることを思い知らされました。今、乳児である人は、何もわからずにこの事態を受け止めざるを得ません。


今回の震災は、これから一直線に復興に向かって進んでいくわけではないようです。先日、通勤途中にあるビルの前に「立ち入り禁止」の張り紙が貼ってありました。そのビルをよく見てみると、ビルの至るところにヒビが入っています。「立ち入り禁止」の張り紙を見るまでは、何も気づかずにビルの前を歩いていました。でも、その張り紙を見てからは、ビルの前を恐る恐る歩く自分がいます。そのビルは、これからどのように「対処」していくのでしょうか。


福島原発問題は、これからどのように「対処」していくのでしょうか。津波などで多くの被害が出ている現実に対しては何も言葉が出ませんが、いろいろと紆余曲折しながら進んでいく方向性が、よりよいものであることを信じ、そのあるべき方向性に自分自身がいられるようにしていきたいと思います。