キツツキとキツネ

最近、山間の神社を参拝するとココココココーンという音が響いてきました。あまりにも反響がよく、頻繁に聞こえるのでしばらく耳を傾けていました。キツツキが神社の大きな杉の木をくちばしで打ち続けていたのでしょう。姿は見えませんでしたが、キツツキの存在が神社の主役であるかのように冷たい空気を振動させていました。

参拝を終えると、野生の小動物が森の中を駆けていくのが見えました。何かと思って目で追い続けていくと、遠くに離れて安心したのか、キツネが振り返って私のほうを不思議そうに見ていました。

神社は鳥居や祠といった人間が作ったものだけでなく、鎮守の森の中に生息する動植物を含めて成立していることを改めて実感しました。