「二十一世紀に生きる君たちへ」

司馬遼太郎のエッセーに「二十一世紀に生きる君たちへ」というものがあります。その中に次のような文章があります。

「『人間は、自分で生きているのではなく、大きな存在によって生かされている』
と、中世の人々は、ヨーロッパにおいても東洋においても、そのようにへりくだって考えていた。

この自然へのすなおな態度こそ、二十一世紀への希望であり、君たちへの期待でもある。そういうすなおさを君たちが持ち、その気分をひろめてほしいのである。
そうなれば、二十一世紀の人間は、よりいっそう自然を尊敬することになるだろう。そして、自然の一部である人間どうしについても、前世紀にもまして尊敬し合うようになるにちがいない。そのようになることが、君たちへの私の期待でもある。」

平成元年に出されたエッセーのようです。それから20年近くが経過し、地球環境問題が世界的に取り上げられています。改めて、自然を大切に思う気持ちを持ち続けていきたいと思います。