読書がきっかけで

高校2年のときですが、高校卒業後の進路をどうしようか、思い悩んでいました(正直に言うと、何の当てもないけど、中退しようかということもよぎっていました)。


そんなとき、たまたま夏目漱石の本を読んで、「大学に行こう」と思うようになりました。最初に読んだのは「こころ」だったと思いますが、それがきっかけで、夏目漱石の文庫本を買い揃えました。文庫本とはいえ、高校生のこづかいの中からやりくりしたので、そのときは随分と思い切った買い物でした。高校の図書館で借りてもよかったのですが、自分のお金(今思うと親のお金ですが…)で買ってこそ本気で読めると思っていました。


全部読んだのですが、ほとんどその内容を忘れてしまいました。でも、夏目漱石ほどの著名な人でも日々の些細なことで思い悩まされていることを肌で感じ、「いろいろな立場の人がいるけど、中身はそんなに変わらないんじゃなのかなあ」ということを実感しました。


そして、知らない世界を知ることの面白さを教えてくれたように思います。