「東京」の抽象化

私は地方出身者で東京の大学に進学しようと考えていたとき、「東京」を漠然と捉えていました。大学に進学するまでほとんど「東京」に行ったことがなかったので、漠然としか捉えようがなかったのですが、今では少し捉え方が異なります。

「街」を論ずるとき、自分自身が強くイメージしているものを捉え、「街の抽象化」を行います。しかしながら、「街」はいろいろな「場所」、いろいろな「人」、いろいろな「モノ」の集積ですので、「抽象化」するにあたり、全面に押し出すものは千差万別なのではないでしょうか。


「神は細部に宿る」
という言葉があります。「東京」にも、当然ながらいろいろな「場所」があります。「男はつらいよ」になぜあれほど惹かれてしまうのか、もちろん寅さんを初めとする登場人物の魅力そのものもあると思いますが、地方を旅し、いつも「葛飾・柴又」という、特定の「場所」に帰ってくることの魅力も大きいと思います。

先日、実家に1匹の蛍が舞ったそうです。日々の楽しみも細部に宿っているのだなあと感じます。