七夕の裏書

訃報が伝えられた梅棹忠夫さんには、「裏がえしの自伝」があったそうです。「私は〜になれた」という「表」の自伝ではなく、「私は〜になれなかった」という「裏」の自伝です。

一生の時間は限られていますので、いつも私たちは何かの選択を迫られ、いろいろな決断をしながら(あるいは決断できずに引き延ばしをしながら)生きているのかもしれません。特に仕事に関しては、何かに特化してそのプロ化を目指していかなければ、なかなか世の中から認められることはできないのでしょう。

だけど、「野球バカ」を自認されている野村克也さんも野球に関係のない本をたくさん読んで「人間を磨く」ことに力を注いでいかれたように、いろいろなことに関心を持つこと、好奇心を持ち続けるということは、ずっとずっと大切にしていく必要があるように思います。


七夕の短冊に何か書くとしてら、その「表」には悩みに悩んで抽出したたった一つのことを書く必要がありますが、その「裏」にはたくさんのことを書きこめる、そのような短冊でありたいと思います。