鮮明なビジョン

事業を行うにあたり、「経営理念」→「ビジョン」→「戦略」→「戦術」の垂直統合ができていなければいけない、と教わってきました。どれも大切なことだと思いますが、私自身、己の醜さを再確認するためにも、「ビジョン」のことを気にしていることが多いように感じます。


「ビジョン」とは、まさに「目に見えること」のようです。何年か事業に取り組むことによって、どのように社会貢献できているか、どのようにお客様に喜んでいただいているかなど、それらの場面を映画のワンシーンのように、鮮明な「画像」として思い浮かべられるものでなければいけないそうです。

私自身、事業に対する熱意をチェックするためにも、どのような「画像」が浮かんでくるか、いろいろ想像してみるのですが、すぐに浮かんでくる「画像」というのは、自分自身の姿であることが多くて愕然としてしまいます。自分自身の社会的地位が上がっている姿であったり、自分自身の活躍する姿であったり、自分自身がいろいろなものを獲得している姿であったりして、「結局は、自分自身のエゴを満たすために、事業に取り組もうとしているのではないか?」と反省させられます。


自分の姿ばかり見えたときは、もう一度どのような事業に取り組むべきか、練り直していかなければなりません。「事業の究極の目的は、社会貢献である」ということを学んできましたが、私自身、事業を通してどのように「社会貢献」していきたいのかを、見えてくる「画像」に対して自問自答し、何度も何度も試行錯誤していく必要がありそうです。


事業が社会に対して役に立っている「画像」、お客様に喜んでいただいている「画像」などが鮮明になってきたとき、もう一度自分自身のエゴに対して、「自分のことは後回しだという覚悟はできているな」と問わなければいけないように思います。

その覚悟が定まったならば、実行に向けた戦略・戦術等を練っていく意義が見出せるのかもしれません。エゴがあるから、自分自身の醜さと格闘していかなければなりませんが、エゴがあるからこそ、いろいろ気づけることもあるのかもしれませんね。