ローカル・バス

最近帰省したとき、最寄駅から実家までバスで移動しました。途中で一度バスを乗り換える必要があるのですが、乗り換えたあとのバスでは、乗っているのは運転手以外、私ひとりでした。


完全に私の貸切状態でした。運転手も普段見たことのない乗客だったこともあったためか、いろいろ話しかけてくれました。このバスは、いつもこんな感じで、乗客が誰もいないことがよくあるそうです。朝のバスでは、地元の高校に通う学生が二人程度、近くの病院に通う高齢の方が一人か二人、昼のバスでは、近くの病院から帰る高齢の方というように、だいたいバスを利用する人は決まっているそうです。


「僕が子どもの頃は、もっと大きなバスで、それでも座れないくらい、いっぱい人が乗ってたんですけどねえ」

私も昔のことを思い出しながら話をしていたのですが、「乗客がほとんどいない交通機関」は、何もこのバスに限ったことではないと教えていただきました。

「都会の一部の沿線を除いて、ほとんどのバスや電車の会社は、赤字経営のはずですよ。でも、止めるわけにはいかないですからねえ。それで不動産をやったり、他のことをいろいろ考えなきゃいけないわけですよ」


「神は細部に宿る」という言葉があるそうですが、日本の近い将来の大きな課題は、実はこういった場所で鮮明に現れてくるのかもしれません。このような場所が、これからどのように変化していくのか、それが近い将来の日本全体の姿を暗示しているような気がしてなりません。

どうか時代の流れに逆行するのではなく、新しいグローバル化の流れの中で、自然豊かで活気のある地域が広がっていく日本であってほしいと思います(私自身、他人事ではいけませんが…)。


先日、「猫の駅長」がニュースで取り上げられていました。これからどのような道を歩んでいくのか、猫のように気まぐれな状態が、今目の前に差し出されているような。。。