孤独とうまく向き合う

自分自身の弱さが嫌になって、「もっと強くなりたい」と思うことがあります。そして、今まで私自身が「もっと強くなりたい」と本気で思ったとき、そのほとんどは「もっと孤独に強くなりたい」という意味だったように感じます。


学生のとき、寝付けない夜があって、急に寂しく感じ、深夜にもかかわらず友人に電話を掛けまくったことがあります。当時は自宅に電話するしかなかったのですが、(一人暮らしの友人には無視されましたが)家族と同居していた友人につながってしまい、家族とその友人にこっぴどく怒られた記憶があります。

最近よく「もっと学生時代に勉強しておけばよかったなあ」と思うことがあります。でも、よくよく反省してみると、勉強が嫌いで勉強しなかったのではなく、勉強するときの独りの世界に入っていくという、その孤独感に耐えられない、という理由で勉強できなかったことが、私の場合には実態に近いような気がします(もちろん、他にもいろいろ理由はあるでしょうが・・・)。

全く情けないことだし、これではいけない、自分を変えていかなければいけない、と思っていました。それでも歳をとれば少しずつは孤独に強くなれるのかな、という淡い期待を持っていました。でも、日に日に、どうもそうではないような気がしています。では、「孤独に強くなる」には、どうすればよいのでしょうか。


起業して、いろいろ貴重な経験をさせていただいた上で思うことは、孤独は「強くなる」ものではなく、「うまく付き合う」「うまく向き合う」ものなのではないのかなあ、ということです。そのように考えるようになったヒントとして、ある先生に教えていただいた言葉があります。

「『深い悲しみ』のコインの裏には、『深い幸せ』という言葉が刻まれている」

その言葉がヒントとなり、「では、『深い孤独』のコインの裏には、どのような言葉が刻まれているのだろう?」ということを、意識するようになりました。いろいろ経験してきて最近思うのは、「『深い孤独』のコインの裏には、『深い希望』という言葉が刻まれているのではないだろうか」ということです。

孤独を感じながら生きていくのは、自分を独りにしないようにする人間の本能の部分もあるのかもしれません。でも、それだけではなく、「深い希望」という「光」を見出していくために、その「影の役割」を引き受けている部分もあるような気がします。

そして、そのように考えれば、「深い希望」を見出していくために、今の私には知りえない、もっともっと「深い孤独」の世界があるという覚悟を持たなければいけないのかもしれません。


「希望のために孤独がある」と考えれば、勇気が湧いてきます。孤独とうまく向き合いながら、明るく元気に、前向きに、生活していきたいと思います。