知性の潔癖症

自分自身の反省を込めて、何となく感じていることを整理してみたいと思います。

本を読んだり人の意見を聞いたりすると、「それは違う!」と突っ込みを入れたくなることがあります。40歳にもなってくると、自分の考え方や感性のようなものが凝り固まってくるのでしょうか、そのようなことが多くなってきたように感じます。


問題は、一度突っ込みを入れたくなってしまったら、その人の意見や考え方に対し、他のことに関しても拒否反応を示して頭に入ってこなくなることです。無意識に過剰な防衛反応が働いてしまうのかもしれませんが、これでは、せっかく自分自身の時間を費やして本を読んだり意見を聞いたりすることが無駄になってしまいます。


なぜ、そのような事態に陥ってしまうのでしょうか。
「割り切りとは、精神の弱さである」という言葉があるそうです。私自身の精神の弱さを、私の中にある無意識世界がしっかりと認識していて、そのために過剰な防衛反応を引き起こし、異なる意見や考え方を割り切ってしまおうとするのかもしれません。


いろいろなことに対して、自分の意見や考え方、スタンスのようなものを持つことは大切だと思います。しかし一方で、それに対する「異物」のようなものを拒否してしまっては、新たに学ぶ機会を逸する気がします。

大切なことは、「謙虚に学ぶ姿勢」にあるということでしょうか。すぐに拒否するのではなく、そのような意見や考え方があることを素直に受け止め、自分の中で咀嚼していく必要がありそうです。つまり、本当に些細なことであれば忘れてもいいだろうし、現時点ではよくわからないけれど、何か重要なヒントが隠されていると感じるものに対しては、自分の中で把持していく必要があるように思います。


自分の意見や考え方を絶対視することなく、謙虚な姿勢(これが本当に難しい課題なのかもしれません)で、いろいろな意見や考え方を咀嚼していきたいと思います。