受験英語の効用

私が大学生だったとき、(上智大学生に対する世間のイメージからなのか)「英語が話せるんだ」と言われることがよくありました。

実際は、(浪人時代に鍛えた)「受験英語」としての「リーディング」と若干の「ライティング」ができる程度で、その他の「ヒアリング」「スピーキング」はほとんど太刀打ちできませんでした。


何とか大学時代に英語を習得しておこうと思ったものの、「習得」には程遠く、逆に受験勉強をしていたときよりも英語力は大幅にダウンしてしまいました。


その状態がずっと続いていたのですが、最近読んだ本の中に「何の目的で語学を勉強するのか、そのことをまず明確にしなければならない」という言葉があり、少し勇気付けられる思いがしました。


今の私にとって、「なぜ英語が必要か」「なぜ英語を勉強するのか」と言われたら、明らかに「インプットの選択範囲を広げるため」です。もちろん、ネイティブの方と直接お話ができたほうがより新鮮でより重要な情報収集ができるのかもしれませんが、(私が大学時代だった頃と異なり)「リーディング」さえできればインターネットを通して情報収集範囲が大幅にアップする時代になっています。


今まで、自分自身の英語力に対して「リーディングだけできても意味がない」とネガティブに捉え続けていたのですが、これからは「リーディング」を突破口にし、英語による情報に抵抗なく触れていきたいと思います。


私の「スピーキング」力に関して、今でも思い出すことがあります。


大学時代に塾講師のアルバイトをしていたのですが、中学2年生の英語の授業で、私が英語を読み上げていたとき、笑う声が聞こえてきました。最初は私語をして笑っているのかと思いましたが、徐々に笑う人数・声が大きくなったので、「どうした!」と注意したら、男子生徒にビシッと言われてしまいました。


「先生、『ジス』じゃなくて『ディス』!!」


教室中で大爆笑になりました。「this」の発音が、私は「ジス」になっていました。それ以来、「this」は「ジス」ではなく、「ディス」と発音するようにしています。