新しくて素晴らしい作品

三島由紀夫氏は「本当に新しくて素晴らしい作品は、人々を不快にする」という言葉を残しているそうです。それは、「事業」においても同じであるように思います。


本当に新しくて世の中にインパクトを与える素晴らしい事業というものは、まず最初に、その事業内容を知った多くの人を不快にしてしまうのではないでしょうか。「常識はずれだ」「できるわけがない」など、知らず知らず既成概念に支配されて生活している私たちからすれば、「想像もつかないもの」は、自然と否定的に考えてしまう傾向にあると思います。

例えば、FedExの創業者は、起業する前にそのビジネスモデルを経済学部の教授に提出したところ、「そんなことは常識はずれだ」ということで、かなり低い評価しかもらえなかったそうです。それでも自分自身のビジネスモデルを信じ、行動を起こすことによって、そのビジネスモデルの素晴らしさを証明していったということです。


私たちは過去からいろいろ学び、過去を土台に今を生き、将来を見据えて生活しています。そのような中で、自分自身では想像もできなかった「新しくて素晴らしい事業」を説明されても、なかなかすぐには理解できそうにありません。特に「事業」が革新的であればあるほど、私たちの生活基盤を揺るがしかねないという不安感も高まりますので、多くの人が否定的な見方を示し、不快に思うのは、ある程度は当然で、自然な受け留め方と言えるのではないかと思います。

だからこそ、ビジネスモデルに自身を持っている方は、人の意見に耳を傾けて改善を施していきつつ、社会的意義の高いビジネスモデルの根幹を育んでいく必要があるように思います。


グーグルの創業者二人は私よりも年下のようですし、これからも若い人を中心に「新しくて素晴らしい事業」がどんどん誕生していくのでしょうが、私自身、その意義を前向きに捉え、いつも「土俵の上」に立って仕事に取り組んでいけるようにしていきたいと思います。