心のいる場所

ある先生から聞いた言葉です。

「過去の出来事を悔やんで過去に生きたり、将来のことが心配になって将来を生きたりして、なかなか私たちは、今を生きることができない」


「時間軸」で見てみると、確かに私自身、過去のことを後悔して過去の世界に生きたり、将来のことを心配して将来の世界をさまよったりすることが多く、なかなか目の前の「今の時間」の世界に気持ちを集中させることができません。

そして、「場所軸」というものがあるとすると、気になる人のいる世界へ気持ちが飛んでいったり、ここから逃げ出したくなってどこか遠くの世界へ気持ちが飛んでいったりして、なかなか目の前の「今の場所」の世界に気持ちを集中させることができません。


そのため、私自身、ますます「孤独の悪循環」というようなものに陥っている気がします。「今」に心がないため、心の中がぽっかり穴の開いたような感覚が続き、孤独感が高まっていきます。そして、孤独感が高まった状態が続くため、「今」目の前に会っている人がいたとしても、「心ここにあらず」で、相手との会話に気持ちを乗せることができず、自然と周りの人も「私」を敬遠していくようになり、ますます孤独の深みにはまっていく、という悪循環をもたらすのではないでしょうか。


「孤独の悪循環」から抜け出すためには、どうすればよいのでしょうか。それは、「孤独という闇に光を当てる」ということではないかと思います。今、孤独感を強烈に持っている自分自身の心は、どこを向いているのだろう、どこをさまよっているのだろう、と光を当てていくと、その居場所が見つかり、そこから「今」に連れて帰ってくることができます。

いろいろ想像力を働かせ、自由に自分の心の世界を飛び跳ねることは大切だと思いますが、もしそれが不安や孤独感などによって「今」にいないとするなら、自分の心に光を当て、「今」に連れ戻す作業が必要なのかもしれません。


そうやって、「今を精一杯生きる」ということが、可能になっていくのでしょうか。